去る1月20日(日)「真駒内×未来のコミュニティ」フォーラムを開催いたしました。
本フォーラムではコミュニティの本当の意味や未来の姿を参加者のみなさんと共有し、次の行動につなげるための考え方、事例や手法を知り機会とするため講演とパネルディスカッションを行い、満員の中開催することができました。
【講演】「未来は地域にある!持続可能で幸せな地域経済を創る」
環境ジャーナリスト 枝廣淳子氏
枝廣さまは関わっている地域の紹介をするとともに
未来は地域にしかないが、二極化が進みつつあることを話されました。
「元気な勢いの感じられるイキイキしたまち:行くたびに新しい動きがある、楽しみになる、作りたくてやっている、移住者がどんどんと来るまち」
一方で
「よどみ感の広がり:最悪の組み合わせは、選挙に勝つことのみを考えている首長・議員+短絡的で自己利益の住民+これまで通りをやっているだけの行政職員」とのことでした。
そして、温暖化の影響、エネルギーコスト、高齢化などの課題がある不安定、不確実の時代を生きていくため
『レジリエンス(回復力、再起力、弾性力)』を身に着けることが大事であると話されました。
真駒内の活動の参考になる事例の一つとして、イギリスの人口8,000~12,000人程度のトットネスというまちで重要としている「すぐにプロジェクトに走るのではなく、調査すること」を話され、
調査がしっかりできれば「地域経済の青写真になる」報告書が出来上がる。との事でした。
最後のまとめとして
●レジリエンスが重要な時代
●多様なステークホルダーの対話の場と方法
●地域の「共有ビジョン」を描く
●構造に働きかけるための「システム思考」
●地元経済の現状をきちんと把握する
●小さな成功事例をつくっていく
を挙げられ
「まちづくりは自分たちに住みやすい、住み続けたいまちをつくっていくこと(ネバーエンディング・ストーリー)である。
住民のスタンスは、文句・苦情型、陳情型、提案型、住民自治型などがある。
地域の全員が賛成し、動いてくれることはありえない。それでも考え、動いていく人々の力をどう高めていくか、どう広げていくかである。」と力強い言葉で締めくくっていただきました。
【パネルディスカッション】
引き続き、枝廣さまと地域で活動されている3名の方々とパネルディスカッションを実施しました。
進行 枝廣淳子氏
パネリスト 真駒内商店街振興会 会長 山下晴男氏
真駒内駅前のまちづくりを考える会 代表 青木新作氏
commons fun(まこまない研究所) 林 匡宏氏
それぞれの自己紹介後、枝廣さまより
今後、つなげる、続けるために、
「見落とししている調査」「きちんとした分析」
が重要で駅前のまちづくりも始まるようなので、そこでプレゼンもできそうとアドバイスがありました。
パネリストの方々からは
山下さま:「盆踊りの櫓を覆った大風呂敷は布の提供者、ミシンの提供者、実際に縫ってくれた人を入れると何百人の市民が関わってくれた。もう自分たちだけの盆踊りではなく、イキイキしてきたことに感激した。もっともっと場を利用してもらいたいと思ったし、知ってもらうことができた。」
青木氏:「データをしっかり蓄積することはあるが、ここまでやったよと話してもその時だけの場合が多い。次へ継続することが重要だと感じた。語り合う場所、会える場所を設定していきたい。巻き込むことは大事だが、楽しさがないと巻き込めない。若者の発想を学びながらやっていきたい。」
林氏:「自分とお友達になってほしい。キラキラ、わくわく系の方、よろしくお願いしたい。エリアマネジメントの組織を作っていきたいが、どうしても面倒なことが多いので、ちょっとやってみることが得意なので、ちょっとやってみて、警察や行政に対してのゴニョゴニョしたことは自分が話していくようにしたい。SDGsの17番、パートナーシップのまちづくりを進めたい。」
などそれぞれの活動と思いを語っていただきました。
それらを受けて枝廣さまからは
「お客様扱いでは巻き込めない。働いてもらう、アイディアを提供してもらうなど、こちらから差し出した時に初めて巻き込めるのだと思う。
いろんな人が関われる場づくりが重要。どうしても駅前の整備だとハードの話ばかりになってしまうが、
どんな空間になるのか?
その空間が、人々の繋がりや出会いを生む場になっているか?
この再開発で人々は出会えるか?
を考えること。
ハードとソフトの広がりを、どう考えるのか、エリア開発、エリアマネジメント、パークマネジメントを町の人も一緒に関わることが必要。」とアドバイスをいただきました。
パネルディスカッションの締めくくりに枝廣さまからは姫路駅の例として
「商店街やNPOと一緒に、NGOがエリアマネジメントした駅前はとても楽しい駅前になった。ぜひこれからもヒントやアドバイスをして、紹介していきたい。よい形に進むことを願っているし、期待している。次に真駒内にお邪魔することを楽しみにしている。」と言葉をもらい1時間ほどのパネルディスカッションが終了しました。
最後に共催の札幌市環境局環境都市推進部 環境計画課 調査担当係長 佐竹輝洋さまより
閉会の挨拶をいただき終了いたしました。
会場後方には地域のステークホルダーと共に作成した「真駒内版SDGs」と
札幌市のSDGsの取組を紹介するパネルを展示し、参加者のみなさんにもできることを書いてもらうなど、つながりを持つことができました。
枝廣氏が飛行機の都合で会場をすぐに後にしなければならなかったため、10分の休憩時間は名刺交換を希望する方でいっぱいでした。また、終了後はパネリストの方それぞれと参加者の方が熱く意見を交わされ、活発な交流の場となりました。
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